ことばとまなびでつながるなかまの会
講師からのメッセージ
講演
* 学習者の脳を活性化する授業のひと工夫
―主体的・対話的で深い学びの実現をめざして―
講師 横溝 紳一郎氏(西南女学院大学)
プロフィール
ハワイ大学大学院より修士(MA)および博士号(Ph.D.) 取得。
現在、西南女学院大学人文学部英語学科教授として、日本語教師養成と英語教師養成を
同時に行っている。
主な著書に『今さら聞けない日本語教師塾:日本語教師の役割=「やる気」を引き出す!(DVD)』(凡人社)、
『クラスルーム運営』(くろしお出版)、『日本語教師の7つ道具シリーズ+(プラス) 教案の作り方編』(共著、アルク)、
『成長する教師のための日本語教育ガイドブック 上・下巻』(共著、ひつじ書房)等がある。
メッセージ
2017年3月に文部科学省が公開した新学習指導要領を受け、国内の小・中・高では 「主体的・対話的で深い学び」の実現をめざして、様々な取り組みがなされています。 今回の研修会では,「主体的・対話的で深い学び」とは何かを明らかにした上で、 そういった学びを実現するために,日本語教師ができること・すべきこと・ やってはいけないことについて考えていきたいと思います。 学習者の脳を活性化させるのはちょっとした工夫ひとつです!
ワークショップ①
* 非漢字系学習者を対象にした漢字指導
講師 濱川 祐紀代氏(目白大学)
プロフィール
目白大学外国語学部日本語・日本語教育学科准教授。埼玉大学大学院博士後期課程修了。
博士(学術)。日本語教育分野における漢字教育(学習・指導)に関心がある。
『日本語教師のための実践・漢字指導』(くろしお;編著)、
『文字・語彙を教える』(ひつじ;共著)などを出版。2004年にJSL漢字学習研究会を
創立し、代表を務める。
メッセージ
学習者の中には、漢字を“暗記するしかない”“覚えても忘れてしまう”という不満を抱えている人もいます。使えなければその努力が無駄になってしまいます。そこで、ワークショップでは、学習した漢字どのような場面で用いられるのかまで指導に含めることを期待し、「(漢字指導における)意味と運用を伴う教室活動」を考え、会場全体で共有する時間をもちたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
* 新聞を活用した授業 ―NIEにチャレンジ!―
講師 宮 弘美氏(東京国際大学付属日本語学校)
プロフィール
東京都出身。昭和女子大学大学院文学研究科言語・コミュニケ-ション専攻博士前期
課程修了。2007年より現職。2018年より新聞教育推進協議会理事。
2008年より勤務校において日本語教育に初めてNIE授業を導入し、実践展開する。
若き日の新聞記者経験を活かし、NIEを通して学生を「真の国際人」に育てることを
生き甲斐にしている。日本語教育学会、日本NIE学会にて発表多数。
著書に『NIE実践ワ-クブック 新聞で身につく日本語力』(国書刊行会・2015)がある。
メッセージ
日本語教育に生教材として新聞を取り入れようとすると、どうしても「社説を読ませて、意見を書かせる」という授業になりがちではありませんか。すると教師も学生も結構きついですよね。どうしたらもっと楽しく、主体的に新聞を活用できないだろうか----そんな声に応えて、今回は新聞を読むだけではなく、より多面的に使ったユニ-クな授業、NIEをご紹介いたします。学生が自分で選んだ記事や漫画、写真、広告など新聞を丸ごと全部使って日本語を学んでいきます。明日からすぐ使えるアクティビティも体験してみませんか。教師が新聞を好きになることがNIEの第一歩だと考えています。
講師 藤本 かおる氏(武蔵野大学)
プロフィール
首都大学東京人文科学研究科単位満了退学、現在は、
武蔵野大学グローバル学部日本語コミュニケーション学科准教授。
完全文系の日本語教師ですが、なぜかこの世界に入った時から
コンピュータとインターネットを使うことにこだわりがあり、
eラーニングベンダーさんたちともeラーニングについて熱く語る会をやっています。
メッセージ
生活ではネットもスマホも使っているのに、なぜか授業では使えない、使い方がわからない、
でも、誰に聞いたらいいかもわからない・・・
そんなことはありませんか?
このワークショップでは、日本語教育へのICT利用について、ご自身の担当している授業の改善案を
例に考えていきます。
今更聞けない基本的なこともしっかり押さえますので、「全然わからない・・・」でも大丈夫です。
* ビザについて知っておきたいこと
講師 長岡 由剛氏(特定行政書士 明るい総合法務事務所)
プロフィール
2011年行政書士登録、千代田区にて開業
2017年7月現在在東京タイ王国大使館にて在日タイ人向けの法律等の研修を3回
行う。(主催:TNJ)
行政書士稲門会主催の研修講師、行政書士品川支部主催の研修講師、早稲田大学校友
会支援講座講師予定(いずれも在留資格関連業務)。
その他、企業内研修講師として在留資格や外国人の雇用について、契約書の作成等の
研修を担当する。
メッセージ
ビザ、いわゆる入管法に基づく知識を学ぶとすれば基礎知識だけでも50時間はゆうに超える時間が必要でしょう。しかし、それは専門家に求める数値です。
よって今回の研修では日本語学校の皆さまが気を付けるべき事項について整理し、日常業務での迷いが少なくなるように努めたいと思います。
ワークショップ②
* Good writingの指導
講師 阿部 新氏(東京外国語大学)
プロフィール
東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。
名古屋外国語大学外国語学部専任講師,准教授を経て,現在,東京外国語大学大学院准教授。
専門は,日本語教育学,社会言語学,音声学。
著書に『Good Writingへのパスポート』(共著,くろしお出版)等。
ライティングの指導と評価,音声指導,言語学習ビリーフ,言語教育ビリーフに興味がある。
講師 田中 真理氏(名古屋外国語大学名誉教授)
プロフィール
国際基督教大学大学院比較文化研究科博士前期課程修了。博士(学術)。
国際基督教大学教養学部講師,電気通信大学国際交流推進センター助教授,
名古屋外国語大学外国語学部・大学院国際コミュニケーション研究科教授を経て,現在,同大学名誉教授。
専門は,第二言語としてのライティング,ライティング評価,第二言語習得。
著書に『Good Writingへのパスポート』『フィートバック研究の招待』(いずれもくろしお出版)等。
メッセージ
作文指導の際,みなさんはどんなことに気を付けていますか。文法や漢字を正確に書くことも必要ですが,構成を意識して書くこと,読み手が誰なのか意識して書くことも大切です。Good writingを目指した作文指導の考え方を今回のワークショップで身につけてみませんか。
ワークショップでは,講師らがGood Writing研究の一環として開発中のライティング自動評価システム(Cf.https://goodwriting.jp/wp/)も最後にご紹介します。
* 音声指導をはじめよう
講師 中川 千恵子氏(早稲田大学)
プロフィール
お茶の水女子大学人文科学博士
現在、早稲田大学等で非常勤講師として発音や大学院指導を行っている。
『にほんご話し方トレーニング』(アスク出版)など共著で出版
「OJAD(Online Japanese Accent Dictionary)の開発メンバー
メッセージ
日本語学習者が、とても良いことを言っているらしいけど途中まで何の話か分からなかった、あるいは、とてもきれいな発音だけど心に響かなかったという経験は、誰しもあるのではないでしょうか。伝わる発音習得は、意味と運用が伴ってこそ生きます。今回は、まず「伝わる発音」には何が必要かということと、入門時に発音指導をすることの大切さについてみなさんといっしょに考えたいと思います。
* 現場に活かす検定キーワード
講師 青山 豊氏(青山組)
プロフィール
街場の日本語学校で非常勤講師として教え始めて十数年になります。
大学院に行く頭も、お金も、時間もないので、日本語教育能力検定試験を受け続けることで、
現場の日本語教師が知っておくべき知識を吸収しようと努めてきました。
アルクの『月刊日本語』2008年4月号から2012年3・4月合併号まで4年間48回、
日本語教育能力検定試験キーワードに関するコラム「トリセツマン」の執筆を担当し、
「エイリアン(=検定試験に登場するカタカナキーワード)」と戦いました。
メッセージ
2012年から2017年までの日本語教育能力検定試験に登場した新しい専門用語から、カタカナキーワードを中心に取り上げ、それらがこれからの日本語教育の現場にどのように役立ち得るかをみなさんと考えたいと思います。「検定キーワードの知見を使って日本語教育の現場の問題を分析する力」と「教育現場で起こっている課題解決の方策を検定キーワード理解の中に探る」という「絶え間なき往還運動(!?)」を体験していただければ幸いです。
* これだけは知っておきたい著作権!【第2弾】
講師 高橋 薫氏(早稲田大学)
プロフィール
JSPS科研費 JP17K02871「日本語教育における反転授業のメタ理論の構築」研究
代表者。2017年1月「デジタル教材を活用したい語学教員のための著作権セミナー」
(早稲田大学)、2017年8月 「著作権を知ってよりよい教材づくりを!-利用者・
権利者の立場から-」(日本語学校教育研究大会分科会)主催。
宇治橋 祐之氏(NHK放送文化研究所 メディア研究部主任研究員)
プロフィール
学校放送番組を中心に教育ジャーナル番組など、教育番組全般とデジタル
コンテンツ等を制作。2013年より現職。日本教育メディア学会理事。
JP17K02871共同研究者。2017年1月「デジタル教材を活用したい語学教員のため
の著作権セミナー」(早稲田大学)講師。
我妻 潤子氏(株式会社テイクオーバル 知的財産アナリスト)
プロフィール
教科書制作やMOOC映像教材制作の権利処理実務、ヘルプデスク業に従事。
JP17K02871共同研究者。2017年1月「デジタル教材を活用したい語学教員のため
の著作権セミナー」(早稲田大学)、2017年8月 「著作権を知ってよりよい教材づ
くりを!-利用者・権利者の立場から-」(日本語学校教育研究大会)講師。
保坂 敏子氏(日本大学大学院 総合社会情報研究科)
プロフィール
JP17K02871連携研究者。JMOOC「文化翻訳入門-日本と世界の文化コミュニケー
ション-」講師。2017年1月「デジタル教材を活用したい語学教員のための著作権セ
ミナー」(早稲田大学)共同主催。
メッセージ
近年、著作権への関心が高まっていますが、著作権を侵害せずに著作物を利用するにはどうしたらいいのでしょうか。本研究チームでは、日本語教師、メディアの専門家、著作権の実務家が連携して、語学教員のための著作権セミナーを開発してきました。昨年度の夏フェスで行ったワークショップから、さらにバージョンアップしてお届けします。
*付記:本ワークショップはJSPS科研費 JP17K02871「日本語教育における反転授業のメタ理論の構築」の助成を受けています。ワークショップは反転授業で行いますので、事前に著作権に関する指定のビデオを視聴の上、ワークショップにご参加ください。ワークショップのはじめにビデオ内容に関する小テストとフィードバックを行います。また、事前・事後アンケートへのご協力をお願いいたします。当日はスマートフォンにQRコードを読み取るアプリをインストールの上、お越しいただくと便利です。